研究課題
若手研究
母体への抗精神病薬投与が、どのように子の分子細胞生物学的に影響を与えているかは明らかにされておらず、我々はマウスを用いてこの点を解明する目的で研究を行った。抗精神病薬であるハロペリドールを母体へ投与し、産まれた仔の海馬においてmicroRNA-137-3pの低下、およびNr3c1遺伝子発現の上昇を確認した。更に細胞培養を用いた実験で、このmicroRNA-137-3pがNr3c1遺伝子発現を調節していることを証明した。
分子細胞生物学
母体への抗精神病薬投与が、どのように胎児への分子生物学的な影響を及ぼすかは明らかにされておらず、マウスを用いた研究ではあるが、その一部分を解明できたことは社会的に意義のあることである。また、それに加えて近年注目されているnon-coding RNAの1つであるmicroRNAのうち、統合失調症に関連するとされるmiR-137-3pが神経発達に影響を与えるNr3c1遺伝子の発現を調節することを明らかにしたことは、学術的にも意義のあることであり今後の統合失調症の解明の一助となると考える。