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2021 年度 実施状況報告書

覚醒剤依存症に対する新たな薬物療法開発のための受容体研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K16634
研究機関国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター

研究代表者

沖田 恭治  国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 第一精神診療部, 医師 (50456547)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードドパミンD2受容体 / 覚醒剤依存症 / PET
研究実績の概要

本研究は覚醒剤依存症患者を対象とした短期間の薬物的介入を含む臨床研究で、陽電子断層撮像法(PET)による受容体イメージング手法を用いて、アデノシン2A 受容体(A2AR)の選択的アンタゴニストのイストラデフィリンが、線条体におけるドパミンD2 受容体(D2R)の結合能に与える影響を評価することを主目的とする。D2RはA2ARと複合体を構成し、アロステリック効果と呼ばれる相互的な機能調節が働いており、基礎研究の結果からはA2ARを遮断することでD2Rの密度が上昇することが期待されている。
線条体D2R結合能が低いことは薬物依存症患者における特徴的所見であり、その行動表現型とも相関している。本研究は、効果的な治療法に乏しい薬物依存症に対する、A2ARを介した新しい薬物療法開発の端緒となり得ることが期待される。前年度は、臨床研究審査委員会から研究開始のために必要な承認を得て、臨床研究実施計画・ 研究概要公開システム(jRCT)への登録も完了した(実施計画番号:jRCTs031200330、研究名称:覚醒剤依存症を対象としたアデノシン2A受容体遮断薬によるD2Rへの影響の評価:新たな薬物療法開発のための受容体研究)。
当該年度においては、患者リクルートを本格化させ、研究参加につなげることができた。3名の覚醒剤依存症患者が介入前後のPETスキャンと2週間の薬剤介入を含む全ての研究プロセスを終えることができた。覚醒剤依存症という母集団が少ない疾患に対して、薬剤介入とPETスキャンを行った研究は世界でも非常に少なく、実現できたことは一定の成果と考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症問題への対策として、研究業務が一定期間止まったことや、本研究に携わるメンバーのリモートワークへの適応にも時間や労力を要したこと、などから実際には2020年度末までにすでに進捗は遅れていた。
リクルートを開始してからも、組入基準に合致する被験者が少なく、該当する10名に研究説明を行い、6名から同意を得たが、研究のプロセスを全て終えることができたのは3名だった。
結果として、本年度も進捗の遅れを取り戻すことはできなかった。

今後の研究の推進方策

組入基準に合致する被験者は少ないが、研究目的を果たすためにはいずれも妥当な条件であり、リクルートを進めるために変更することは適切ではない。今後、初診時もリクルートをかけるなど、新たな方策を試し、母数を増やしていく。

次年度使用額が生じた理由

進捗に遅れが生じており、その分使用する金額が少なかったため、次年度使用額が生じた。事業期間を一年延長し、研究を進めるため、必要経費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Potential Treat-to-Target Approach for Methamphetamine Use Disorder: A Pilot Study of Adenosine 2A Receptor Antagonist With Positron Emission Tomography2022

    • 著者名/発表者名
      Okita Kyoji、Matsumoto Toshihiko、Funada Daisuke、Murakami Maki、Kato Koichi、Shigemoto Yoko、Sato Noriko、Matsuda Hiroshi
    • 雑誌名

      Frontiers in Pharmacology

      巻: 13 ページ: 820447-820447

    • DOI

      10.3389/fphar.2022.820447

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2022-12-28  

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