研究課題/領域番号 |
20K16635
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
山田 悠至 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 病院 司法精神診療部, 医師 (70832898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 経頭蓋直流電気刺激 / tDCS / ニューロモデュレーション / 統合失調症 / 社会認知 / メタ認知 / 社会機能 |
研究実績の概要 |
統合失調症患者の社会復帰の促進は喫緊の課題であるが、そのために必須とされる社会認知を十分に改善させる介入法はない。他方で発症早期からの社会認知への介入の必要性は、我々の研究グループが世界に先駆けて行った系統的レビューで示されている。さらに統合失調症患者の主観的QOLの向上も近年注目されているが、そのために必要なメタ認知の治療法は未整備である。本研究課題では、社会認知とメタ認知の両方の中枢である内側前頭前野に経頭蓋直流電気刺激(transcranial direct current stimulation: tDCS)を施行し、両認知機能を同時に改善させる。このようにして得られる知見は、統合失調症患者の主観的・ 客観的な回復を促す。 本研究課題の開始に先立ち、パイロット試験を実施した。本パイロット試験は厚生労働省のJRCT (Japan Registry of Clinical Trials)に、特定臨床研究(jRCTs032180026)として登録した。パイロット試験の最終目標症例数15名に、経頭蓋直流電気刺激(tDCS)による介入を実施し、治療を要する有害事象は発生せず、tDCSによる脱落と判断された症例も認めなかった。2021年度には、本パイロット試験のプロトコル論文を英文誌にて出版し、パイロット試験のデータ解析にて、社会認知の改善効果を確認した。今後は、パイロット試験の解析論文を英文誌にて出版すると同時に、パイロット試験の結果に基づき、本試験を開始予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
当初はパイロット試験を2020年前半に終了し、2021年3月までに本試験の倫理審査とJRCT (Japan Registry of Clinical Trials)への特定臨床研究としての登録を完了させる予定であった。しかし、2020年~2021年にかけて、COVID-19の流行により所属機関での臨床研究が一時制限を受け、被験者リクルートにも難渋した。その結果、パイロット試験の完了時期が10ヶ月程度遅延した。パイロット試験の遅延に伴い、本試験の開始が1年以上遅延している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はパイロット試験にて得られたデータの本解析に加えサブ解析の結果も詳細に検討し、各々を英文誌にて出版する予定である。その上で、本試験開始に伴う倫理申請等の手続きを進める。具体的には2022年度前半に本試験の倫理審査とJRCTへの特定臨床研究としての登録を完了させる予定である。計画遅延に関しては、リクルート体制の強化により2022年度以降で極力遅延期間の短縮を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度中に実施予定であった本試験の倫理申請費用が、倫理申請の遅れに伴い次年度使用額に含まれることとなった。次年度使用額は、予定通り次年度において倫理申請費等に用いる予定である。
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