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2020 年度 実施状況報告書

小児期逆境体験についての包括的指標の開発およびうつ病の脳神経基盤との関連研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K16642
研究機関東京大学

研究代表者

里村 嘉弘  東京大学, 医学部附属病院, 講師 (40582531)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード小児期逆境体験 / ACEs / うつ病 / 大うつ病性障害 / NIRS / MRI / トラウマ / 気分障害
研究実績の概要

小児期の逆境体験(adverse-childhood experiences: ACEs)を与えた対象・原因に加え、個体に内在化された経路や様式の分類を含む包括的かつ精緻な新規のACEs他者評価指標(オリジナルACEs指標)の開発を進めるため、後方視的カルテ調査用の調査票を作成し、その信頼性・妥当性について、精神疾患を有する患者を対象としたデータから予備的に検討した。
精神疾患を有する患者のうち、一定の基準を満たした者536名の中から、ランダムに抽出した20名分のカルテ情報について、オリジナルACEs指標を用いて心理士2名が独立して後方視的に調査した結果、一致率は約80%であった。また、心理士1名が1ヶ月以上の期間をあけて再度調査を行った際の一致率は約90%であった。さらに、536名を対象として、オリジナルACEs指標による評価と、既存のACEs評価尺度であるACE score(Adverse Childhood Experiences Score)による評価の間で相関分析を行ったところ、有意な相関を認めた。
また、2020年度は9名の研究協力者が新たに参加し、近赤外線スペクトロスコピー(Near-infrared spectroscopy: NIRS)を施行し、オリジナルACEs指標を含む各臨床指標の取得を行った。このうち1名がMRI検査を施行した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

包括的かつ精緻な新規ACEs他者評価指標の開発について、信頼性・妥当性の検証を行う等、概ね当初の予定通り進展している。また、うつ病患者における新規ACEs指標を用いた実態調査や脳画像指標との関連解析の準備も進められている。

今後の研究の推進方策

今後は、新規ACEs他者評価指標の信頼性・妥当性についての学会発表や論文執筆を行い、精緻な実態調査や脳画像指標との関連解析を進めていく。新規の研究協力者のリクルートを強化するため、ホームページでの研究参加の呼びかけ等を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

予定していた学会への参加を見送ったこと、また、研究協力者のリクルートの制限により、実支出額が想定を下回った。次年度は、学会の参加を検討し、研究協力者のリクルートの強化を行う。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Prefrontal dysfunction associated with a history of suicide attempts among patients with recent onset schizophrenia2020

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka Jun、Koike Shinsuke、Satomura Yoshihiro、Okada Naohiro、Nishimura Yukika、Sakakibara Eisuke、Sakurada Hanako、Yamagishi Mika、Takahashi Katsuyoshi、Takayanagi Yoichiro、Kasai Kiyoto
    • 雑誌名

      npj Schizophrenia

      巻: 6 ページ: -

    • DOI

      10.1038/s41537-020-00118-z

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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