本研究では、抗PDHA1抗体を測定するELISA法を確立し、統合失調症患者群と健常対照群の血清における抗体価を評価しました。二群の抗体価を統計学的に比較した結果、患者群の抗体価は健常対照群に比べて有意に高いことが示されました。また、平均値+2SDを超える、抗体価高値群の人数を二群で比較すると統計学的に有意な差が認められました。さらに、抗PDHA1抗体価と症状の経時的な変化を評価したところ、病状を反映する状態マーカーであるよりも、疾患に関連する特性マーカーである可能性が示唆されました。これにより、抗PDHA1抗体が統合失調症の診断マーカーとしての潜在的な有用性が示されました。
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