研究課題/領域番号 |
20K16661
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研究機関 | 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部) |
研究代表者 |
福嶋 翔 独立行政法人国立病院機構肥前精神医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 医師 (00727000)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | アルコール使用障害 / 脳機能画像 / 視覚刺激課題 |
研究実績の概要 |
本研究は、脳内報酬系の神経回路を中心とした視覚刺激に対するアルコール使用障害患者の脳機能異常が、重症度によりどのように変化するかを解明するためのものであり、この研究を通じて断酒や節酒可能な患者と不可能な患者をfMRI上で比較することで特徴的差異を明らかにし、臨床上有用なバイオマーカーの解明を試みる。 脳機能計測には、当院内の1.5T超電導MRI装置(Achieva Philip社製)を用い、記録はシールドルーム内にて、覚醒、安静開眼の状態で座位を保持してもらい、その状態で撮像する。刺激としてはブロック課題を用い、視覚刺激課題として3系統の刺激動画(ノンアルコール飲料、擬似アルコール飲料、アルコール飲料をそれぞれ飲んでいる動画)を用い、これら3系統の刺激課題をランダムに提示しながら3セッション繰り返し、その間の脳機能を測定する。データの集積後はMATLAB およびSPM12など専門の解析ソフトを用いた解析を進め、被験者の脳機能の変化を明確にする。 当院で倫理委員会を受け、病棟医師や放射線部にも研究の説明を行い了承を既に得た。また、3系統の刺激動画(6つの飲み物の動画)を作成した。 現在までに重症患者6人、中等症者1人、健常者6人を対象にfMRIの撮像を行なった。後帯状回を関心領域とし集団解析を行うと、焼酎の動画に対してアルコール使用障害患者は健常者群と比較して有意差を認めた。(p=0.006) 現在も被験者のリクルートは順調であり、来月以降も順次撮影予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19 が感染拡大が続いており、研究施設および報告者の施設でもクラスター感染が起きており撮影および研究への支障はある。 また、刺激課題である動画の作成が遅くなったこともあり、撮影開始まで遅くなったことも原因である。 現在までに13例の撮影を済ませ、来月以降も随時、撮影予定である。
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今後の研究の推進方策 |
被験者のリクルートおよび撮影を今後も進めていく。 またこれまでも、研究協力者とも毎週オンラインで連絡を取りながら、動画作成やその後の被験者リクルート、撮影に関して密に相談を行なっていたが、それも継続していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020・21年度はCOVIT-19の感染流行により研究活動が十分にできなかった。 そのため、物品費や旅費、人件費・謝礼などの直接経費を予定通りに使用せず、次年度使用額が生じた。
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