研究成果の概要 |
65歳以上のアルツハイマー病(AD)による軽度認知障害または軽度認知症の患者を対象とし、孤独群と非孤独群に分け臨床症状と局所脳血流(rCBF)を比較した。孤独群(n=20)と非孤独群(n=23)で、年齢、性別、独居率、MMSEに有意差はなかったが、孤独群は非孤独群より抑うつと近時記憶障害が有意に強かった。SPMの検討で、左楔前部のrCBFが非孤独群で孤独群より有意に低下見られた(p=0.010, FWE corrected)。 本研究の結果から、AD患者において孤独感は抑うつや記憶障害を増悪させる可能性が考えられた。また、孤独を感じるにはある程度楔前部の血流が保たれている必要があると考えられた。
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