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2020 年度 実施状況報告書

細胞内カルシウム動態に着目した双極性障害病態モデルiPS細胞の作成

研究課題

研究課題/領域番号 20K16672
研究機関琉球大学

研究代表者

高松 岳矢  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90801431)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード双極性障害 / 疾患iPS / 疾患モデル / 気分障害 / カルシウム / ミトコンドリア / 神経細胞 / ライブイメージング
研究実績の概要

2020年度は(1)Ngn2レンチウイルスベクターを用いたヒトiPS細胞の神経細胞分化誘導系の条件検討、(2)AAV-JGCaMP7のパッケージングと分化誘導神経細胞のトランスフェクション条件検討、(3)エレクトロポレーションによるヒトiPS細胞へのプラスミドトランスフェクションの条件検討(4)プラスミドベクターのデザインを行った。
(1) Zhangらの先行研究(Neuron, 2013年)を基にレンチウイルスベクターを用いてNgn2遺伝子をヒトiPS細胞に導入し、神経細胞をin vitroで分化誘導した。培養条件を調整し、成熟した細胞を安定して得られる条件を繰り返し検討した。(この内容は課題番号18K15521と重複して行なった。)その結果、ヒトiPS細胞から興奮性神経細胞をほぼ毎回安定して高効率に作成できるようになった。
(2)生理学研究所ウイルスベクター開発室に協力をいただき、AAV9-Syn-JGCaMP7のパッケージングを行なった。その後、ウイルスベクターを分化誘導神経細胞にトランスフェクションし、現在条件検討を継続している。
(3)今後JGCaMP7をヒトiPS細胞ゲノムに挿入するため、その際に使用するエレクトロポレーション条件検討を行なった。当初琉球大学共通機器のNeonシステム(ThermoFisher)を使用したが、機器老朽化で動作が安定しなかった。そこで琉球大学共通機器のNucleofectorシステム(Lonza)に変更することとし、試薬の調達までを終えた。
(4)JGCaMP7をヒトiPS細胞ゲノムに挿入するため、プラスミドベクターのデザインを行った。CRISPR/Cas9を使い、ヒトAAVS1座位にJGCaMP7を挿入し、薬剤耐性遺伝子でセレクションを行うこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

2020年度は新型コロナウイルス感染症の流行により、研究や就労の中断期間があり、研究計画が全体に遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

本研究は双極性障害iPS細胞由来神経細胞のカルシウムイオン濃度変動を、長期培養しながら解析することを目標にしている。
これまでに神経細胞分化誘導法はほぼ安定してきた。今後は、まずAAVでJGCaMP7を神経細胞に導入し、培養下でのライブイメージングの課題を明らかにする。ここでJGCaMP7には複数のタイプがあり、どれが適するかを検討する。AAVではおそらく発現量は不安定で、また細胞毒性も見られることが予想される。
次にJGCaMP7ドナープラスミドをクローニングしたあと、iPS細胞にCRISPR/Cas9とJGCaMP7ドナープラスミドをエレクトロポレーションして、AAVS1 safe harbor siteにJGCaMP7を挿入したiPS細胞を作成する。そのJGCaMP7-hiPS細胞にレンチウイルスベクターでTetOn-Ngn2をトランスフェクションし興奮性神経細胞を分化誘導し、培養下にカルシウム濃度を観察する。セロトニンなどポジティブコントロールの刺激で細胞内カルシウム濃度の変動を観察できることを確認する。
ここまでが完成したら双極性障害患者由来iPS細胞で同様のことを行い、細胞内カルシウムイオンの詳細な解析を行っていく。

次年度使用額が生じた理由

2020年度は新型コロナウイルス感染症の流行により、研究を縮小、中断した期間があり、予定額を使用しなかった。来年度は、iPS細胞由来分化誘導神経細胞のゲノム編集実験などを計画通り遂行していく。

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公開日: 2021-12-27  

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