研究課題
若手研究
反復経頭蓋磁気刺激療法(rTMS)は、うつ病患者において、安静時機能的磁気共鳴画像(rs-fMRI)を用いて解析することで、左背外側前頭前野へのrTMSの興奮性の刺激が視床および視覚野に伝わり、その異常な活動を遠隔的に調整する可能性を示唆した。さらにその遠隔効果が扁桃体、側坐核、前島、膝下部前帯状皮質を含むうつ病に関連する脳領域に伝わり、うつ病関連脳領域間の機能異常の正常化につながる可能性を示唆した。このことはrTMS療法の機序の推定につながるかもしれない。
精神医学
反復経頭蓋刺激療法(rTMS)は、非侵襲的に神経可塑性を調節する方法であり、治療抵抗性のうつ病患者への治療法として推奨されるが、本邦での反応率・寛解率は、未だ30-50%にとどまり、その治療機序も明らかでない。本研究の学術的意義・社会的意義は、うつ病患者におけるrTMS治療の機序の解明になりうる、うつ病関連脳領域間の機能異常の正常化の仮説を示したことである。