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2021 年度 実施状況報告書

インターロイキン18を中心とした脳内炎症と精神疾患の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K16680
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

山西 恭輔  兵庫医科大学, 医学部, 特任助教 (50626786)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードインターロイキン18 / うつ病 / ストレス / 神経免疫 / 脳内炎症
研究実績の概要

ヒト中枢神経細胞株のSh-sy5yにおいて、炎症性サイトカインであるIL-18、及びIL-18受容体の発現をWestern blotting、及び蛍光免疫染色で確認した。その後、Sh-sy5yにIL-18を投与し、レチノイン酸を使用して分化誘導を行ったが、分化誘導の度合い(神経突起の長さなど)に有意な変化は確認されなかった。この細胞に対し、Hypoxia-再灌流負荷、グルタミン酸によるストレス負荷を行ったところ、先行研究と同様の結果が確認された。グルタミン酸の投与量は20μg、40μg、80μgで有意差が確認され、現在、組換えIL-18と併用する事による細胞障害性変化を観察している段階である。これらの結果の一部は、業績として原著論文を公開した。
動物実験においては、社会的敗北ストレスを行ったが、行動実験を評価する環境を整えるのに時間がかかった点、及び予備実験結果が当初の計画通りではなかったため、研究計画を「予想された結果と異なった結果となり、計画通り研究が進まない場合」に変更し、ストレス負荷の種類を拘束ストレスへ変更した。その結果、野生型マウスとIL-18欠損マウスとの間で予備実験結果からも有意な結果が出ており、現在結果の解釈を行っている段階である。行った行動実験はオープンフィールド試験、尾懸垂試験、強制水泳試験、スクロース摂取試験である。解析については、海馬を中心に解析を行い、海馬におけるRNA-Seqでの解析や海馬でのNeurogenesisを中心とした免疫染色で比較、検討を行い、有意な結果が観察された。これらの結果は、現在原著論文を執筆し、2022年度中に投稿、公開まで行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2020年度は当初の計画通り以上に進んでいたが、動物実験の解析に時間を要し、2021年度はおおむね研究計画の予定通りの進捗状況である。2021年度末より、業績発表に向けて、論文を執筆しており、2022年度中に欧米誌への投稿、国内学会、国際学会での発表を予定している。

今後の研究の推進方策

2022年度は主に業績の発表に重点を置いている。追加で必要な実験は行う予定である。
2022年度は国内学会、国際学会でそれぞれ1回ずつ発表を予定している。
また2022年度中に今研究計画で発見した内容を論文に記載し、原著論文として欧米誌に投稿予定である。引き続き、当初の計画通り、進める予定である。

次年度使用額が生じた理由

2021年度納品予定の物品(試薬等)について、納期の遅れ等があり調達に時間を要したため次年度使用額が生じた。2022年度に直ちに執行する予定である。2022年度はさらに系統維持費、消耗品や学会発表、英文校正などを使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [雑誌論文] Exploring Molecular Mechanisms Involved in the Development of the Depression-Like Phenotype in Interleukin-18-Deficient Mice2021

    • 著者名/発表者名
      Yamanishi Kyosuke、Miyauchi Masahiro、Mukai Keiichiro、Hashimoto Takuya、Uwa Noriko、Seino Hitomi、Li Wen、Gamachi Naomi、Hata Masaki、Kuwahara-Otani Sachi、Maeda Seishi、Watanabe Yuko、Yamanishi Hiromichi、Yagi Hideshi、Okamura Haruki、Matsunaga Hisato
    • 雑誌名

      BioMed Research International

      巻: 2021 ページ: 1~11

    • DOI

      10.1155/2021/9975865

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] インターロイキン18 (IL-18) の欠損状態がうつ病様行動変化を誘導する前頭前野を中心とした分子メカニズムの探索2021

    • 著者名/発表者名
      山西恭輔、宮内雅弘、向井馨一郎、橋本卓也、宇和典子、大谷(桑原)佐知、前田誠司、蒲池直美、李文、秦正樹、渡辺優子、山西博道、八木秀司、岡村春樹、松永寿人
    • 学会等名
      第117回日本精神神経学会学術総会
  • [学会発表] Transthyretin and Alpha-2-HS-glycoprotein were candidate genes involved in the development of depression in Interleukin-18-deficient mice2021

    • 著者名/発表者名
      Kyosuke Yamanishi, Masahiro Miyauchi, Keiichiro Mukai, Takuya Hashimoto, Noriko Uwa, Naomi Gamachi, Yuko Watanabe, Hiromichi Yamanishi, Haruki Okamura, Hisato Matsunaga
    • 学会等名
      15th World Congress of Biological Psychiatry
    • 国際学会

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公開日: 2022-12-28  

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