研究課題/領域番号 |
20K16687
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
佐藤 友美 東北大学, 大学病院, 助教 (80746149)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 機械学習 |
研究実績の概要 |
機械学習を用いた癒着胎盤のMRI画像診断について、東北大学病院AIラボと研究協力体制を構築した。研究方法は、機械学習を用いて後方視的にMRIの画像解析を行い、放射線科医(放射線診断専門医、後期研修医)の読影と、機械学習の癒着胎盤の診断能を比較することにより、機械学習の有用性を評価することとした。単に機械学習の癒着胎盤の診断能を評価するだけではなく、放射線科医(放射線診断専門医、後期研修医)と比較する点が、既存の研究よりも臨床に即して優れた点と考えられる。 倫理委員会承認後にデータ収集を開始し、臨床的に癒着胎盤を疑われ、MRIを撮像した約250症例の妊婦に関する臨床データ(患者背景や手術所見、病理所見など)の収集をほぼ完了した。 今後は令和4年度から新たに稼働する、東北大学病院の診療画像大規模匿名化システムを利用して、効率的にMRIの画像データを収集する予定である。データ収集後は、画像のトリミング等などの処理を行い、既にAIラボにて確立されている、deep learningのアルゴリズムを用いて、解析を行う予定である。症例は訓練用とテスト用に振り分けられる。 また、同時進行で、放射線科医(放射線診断専門医、後期研修医)の読影実験も行う。読影医はそれぞれ1名で独立して、臨床データ(患者背景や手術所見、病理所見など)を知らされない状態で読影を行い、癒着胎盤と診断する確信度を連続確信度法で評価する。最終的に、放射線科医と機械学習のROC曲線を求め、診断能を比較する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染の広がりの影響を受けて、効率的な研究協力体制の構築に、時間がかかったため。遅れてはいるが、令和4年3月の時点で、研究協力者は13名でを数え、結果的には強力な研究体制を構築できたと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
効率的な研究協力体制の構築に、時間がかかったものの、今後は東北大学病院AIラボの全面的な協力を得ることが期待できるため、研究の進行速度も大幅に改善すると考えられる。新たに稼働を予定している東北大学病院の診療画像大規模匿名化システムを利用して、効率的に画像データ収集を行い、既にAIラボで確立されているdeep learningのアルゴリズムを用いて研究を進めていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
高性能のPCの購入の際に、必要なスペックを再検討した上で、予算よりも安いものを購入できたため。 新型コロナウイルス感染拡大のため、学術学会はオンラインのみ参加しており、旅費の使用がなかったため。
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