研究課題/領域番号 |
20K16691
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
松本 浩史 千葉大学, 医学部附属病院, 主任診療放射線技師 (60745230)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 川崎病 / MRI / Vessel wal imaging / 冠動脈瘤 / 血管壁 |
研究実績の概要 |
川崎病性冠動脈瘤において、T2prep-PSIR法を使用してアーチファクトのない血管壁磁気共鳴イメージング(MRI)手法を確立するための研究を行っている。2020年度はT2prep-PSIR法と対比するための従来法(高速スピンエコー法)において研究成果をまとめた。2020年9月に第48回日本磁気共鳴医学会学術大会で研究成果を発表して、2021年5月に開催予定の国際学会(ISMRM2021)に演題が採択されたおり、現在、同内容を論文執筆している。 当初2020年度の計画として、信号測定用ファントムや心拍や呼吸の状態が異なる健常ボランティア撮像を行い、撮像パラメータの最適化を目指していた。しかし、Xieらが報告した下肢動脈における血流状態の影響を抑えたT2prep-PSIR法の血管壁イメージング[Xie J et al. J Magn Reson Imaging 2010]の撮像パラメータを参照して、頸動脈撮像に臨床応用したところ良好な画像が得られたこともあり、撮像パラメータの基本的な設定については概ねクリアできたと考えている。 臨床データについてはこれまでに9例得られており、有用性評価や改善点の洗い出しを行っている。大きな冠動脈瘤で患者の心拍が安定していた症例においては従来法と比べ明らかな画質の改善がみられた。他の症例においては、心嚢液が原因と考えられるアーチファクトが発生しているため、現在、解決策を模索している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の2020年度終了時点で、信号測定用ファントムや心拍や呼吸の状態が異なる健常ボランティア撮像を行い、撮像パラメータの最適化を目指していた。実際には、過去研究の撮像パラメータを参照することになった。臨床データはこれまで9例得られており、おおむね順調に進展していると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
2021年度も引き続き、冠動脈T2prep-PSIR撮像の有用性評価や改善点の洗い出しを行う。心嚢液が原因と考えられるアーチファクトは心臓に特化しているので、本研究手法の有用性を確認するには他部位に生じる動脈瘤においても研究対象として含めることも検討している。
|
次年度使用額が生じた理由 |
2021年度新たに、画像解析ソフトウエア(2,000,000円相当)の購入を計画しているため
|