研究課題
2020年度は、「心アミロイドーシス症例の蓄積ならびに撮像条件等のパラメータの検討」を中心に検討を進めた。撮像条件や解析するパラメータ等については、過去の論文を参照しながら、各診療科医師および診療放射線技師と連携して、設定を行った。また、本研究の課題の一つでもある「新たな定量評価は、従来の視覚的評価と比較して、同等な診断能を得られるか」という点を明らかにするため、ピロリン酸心筋シンチグラフィおよび心筋生検が施行された心アミロイドーシス患者を抽出して、定量評価と視覚的評価を用いた従来法とを比較し検討した。また、心筋シンチグラフィにおける放射性核種の集積程度について、心筋生検にて確定診断された心アミロイドーシスの各病型において定量評価を行った。本検討により、定量評価法は従来法と比較して遜色ない結果が得られるとともに、従来法では識別し難い病型(遺伝性ATTRアミロイドーシスおよび野生型ATTRアミロイドーシス)において、両者を識別することが可能であると評価された。また、心筋組織のアミロイド沈着量と定量値との比較および検討を行ったところ、心筋組織へのアミロイド沈着の増加に伴い、定量値(特にSUVmax、SUVpeak)が増加する傾向が認められた。本結果は第60回日本核医学会学術総会にてポスター発表した。また、Amyloid誌に本研究が掲載された(Absolute quantitative analysis of cardiac amyloidosis using SPECT/CT with 99mTc-pyrophosphate)。
2: おおむね順調に進展している
蓄積された症例の抽出から解析まで順調に進み、学会発表ならびに論文による結果報告がなされたため。
順調に症例は蓄積されており、2020年度の結果に基づき、次段階の研究テーマの解析を進めている。
今後、当研究において、必要な解析ソフトウェアや機器の購入を考えている。また、今年度は研究会に関する旅費等の支出がほとんどなかったため、それらを次年度に繰り越す必要が生じたため。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
Amyloid
巻: - ページ: 1~2
10.1080/13506129.2021.1903418