心アミロイドーシス患者においてピロリン酸心筋シンチグラフィにおける有用性について、心臓のSUVmax(ある関心領域内の1pixelあたりの最大SUV値)を用いることにより、心アミロイドーシスのtype分類が可能であるとの要旨の論文発表を行った。(Absolute quantitative analysis of cardiac amyloidosis using SPECT/CT 99m Tc-pyrophosphate. Amyloid: Sep;28(3):213-214 2021) 当該年度は、本手法を用いて、心アミロイドーシスあるいは心アミロイドーシス疑い患者に対して、更に100例超の検査を行い、症例の蓄積を行った。本評価法を用いると、疾患毎の心筋アミロイド沈着をある程度評価可能と考えられた。一方、SUVmaxを用いた本評価法では、治療効果判定を行う際に、視覚的評価法と乖離する結果になる印象があった。これは、SUVmaxが画素値の最大値を評価しているため、画像のノイズの影響を受けている可能性があるためと考えられた。従って、SUVmax の数値の他、SUVpeak(1cm3の球体のSUVの平均値)、ある一定のSUV値を示す領域の体積(MTV:metabolic tumor volume)、MTVにSUV値を乗じた値(TLG:total lesion glycolysis)等の数値と比較し、今後検討を進める必要があると考えられた。 また、新規治療薬が数々出現する中、これら薬品の治療効果判定に資する評価方法であることを新たに示す必要性があり、今後の研究課題として考えられた。新たな研究課題については、2023年度の科研費申請では不採択となったが、更なるデータ収集ならびに研究課題の見直しを図る予定である。
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