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2020 年度 実施状況報告書

慢性外傷性脳症の予兆を示す脳代謝異常の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K16703
研究機関高知大学

研究代表者

岩佐 瞳  高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (90566499)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード慢性外傷性脳症 / FDG-PET
研究実績の概要

近年、頭部外傷の分野で慢性外傷性脳症という新たな病理学的背景に基づく疾患概念が注目されているが、現時点では慢性外傷性脳症の診断は剖検に頼るしかなく、生前に診断する方法は確立されていない。また、臨床診断を行うにしても客観的な診断法がないため、典型的な症状が出現した時点で既に病変が相当進行しているケースがほとんどであり、 慢性外傷性脳症に対する安全かつ客観性の高い早期診断方法が求められている。本研究の目的は、反復性軽度頭部外傷から一定の期間を経てみられる進行性の神経変性疾患である慢性外傷性脳症における脳代謝異常をFDG-PETで明らかにすることにより、慢性外傷性脳症の予知ならびに早期治療の確立につなげることである。
現在以下の内容で研究を進めつつある。まず、健常者における脳FDG-PETの正常像を知るため、当院のPET検診受診者のうち、脳疾患の既往ならびにコンタクトスポーツの経験がない受診者を年代別に分けてデータを収集、解析を行っているところである。健常者における脳内の糖代謝の低下の程度とパターンを評価した後、以下のⅠ-Ⅳの測定・評価を行い、それぞれの項目を比較検討行っていく。
Ⅰ. コンタクトスポーツ経験者の脳糖代謝の測定:18F標識のFDG製剤による脳PETを施行し、脳代謝の低下有無とその局在を評価する。
Ⅱ. 脳MRIの撮像:T1強調画像にて形態学的変化の評価、FLAIR画像にて深部白質病変・虚血の評価、T2*強調画像にて微小出血の既往を評価する。
Ⅲ. 頭部外傷の頻度とその程度の評価:コンタクトスポーツを行っていた期間中の脳震盪を含めた頭部外傷の頻度やその 程度を問診にて聴取する。
Ⅳ. FDG-PET撮像時の認知機能の評価:認知機能評価として、MMSE(Mini Mental State Examination) 試験を行う。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の発生により被験者のリクルート・検査実施が難しく、当初の計画より遅れが生じた。

今後の研究の推進方策

新型コロナウイルス感染症の感染状況を踏まえつつ、引き続き被験者のリクルート・検査実施を行う。

次年度使用額が生じた理由

研究が当初の計画より遅れたため、物品費などの出費が少なかった。
次年度には今年度行う予定であったFDG-PET/CT検査を併せて実施する予定であり、FDG合成費用に使用する予定である。
また、検査のデータ解析を目的とするパーソナルコンピューターも次年度に購入予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Pancreatic FDG uptake on follow-up PET/CT in patients with cancer2021

    • 著者名/発表者名
      Iwasa Hitomi、Murata Yoriko、Nishimori Miki、Miyatake Kana、Kohsaki Shino、Hayashi Naoya、Akagi Naoki、Kohsaki Takuhiro、Uchida Kazushige、Yamagami Takuji
    • 雑誌名

      Oncology Letters

      巻: 21 ページ: -

    • DOI

      10.3892/ol.2021.12531

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Evaluation of pleural lesions after pleurodesis with OK-432 by fluorodeoxyglucose-positron emission tomography/CT2020

    • 著者名/発表者名
      Nishimori Miki、Yoshimatsu Rika、Iwasa Hitomi、Miyatake Kana、Nitta Noriko、Anayama Takashi、Yamagami Takuji
    • 雑誌名

      Annals of Nuclear Medicine

      巻: 34 ページ: 793~798

    • DOI

      10.1007/s12149-020-01508-0

    • 査読あり
  • [学会発表] 肺病変に対するCTガイド下生検術前におけるFDG-PET/CTの有用性の検討2020

    • 著者名/発表者名
      岩佐瞳、宮武加苗、仰木健太、中路康介、新田紀子、吉松梨香、耕崎志乃、山上卓士
    • 学会等名
      第60回日本核医学会学術総会
  • [学会発表] ペムブロリズマブ療法による自己免疫性膵炎が疑われた膀胱癌の一例2020

    • 著者名/発表者名
      5.岩佐瞳、村田和子、西森美貴、宮武加苗、田所導子、深田聡、井上啓史、山上卓士
    • 学会等名
      第2回日本核医学会中国・四国支部会

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公開日: 2021-12-27  

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