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2020 年度 実績報告書

難治性癌克服を目指した治療抵抗性分子を標的としたアジュバント放射免疫療法の実証

研究課題

研究課題/領域番号 20K16714
研究機関国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構

研究代表者

高野 香菜子  国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 分子イメージング診断治療研究部, 技術員(任非) (60866854)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2021-03-31
キーワード追加治療 / 抗がん剤 / Tenascin C
研究実績の概要

これまでの我々のがん治療後の組織修復の研究の過程で、抗がん剤やRITにより、発現が誘導される細胞膜表面分子があることを見出した。その中の組織再生因子の一つTenascin Cは組織修復中しか発現せず、がんの増殖や転移にも重要な役割を持つことが明らかになった。膵がん由来で間質の多い腫瘍を形成する難治性細胞株BxPC-3やその無処置の移植腫瘍ではTenascin Cの発現はないこと、我々が開発したTenascin Cの抗体が細胞に結合しないことを確認した。BxPC-3をオスのヌードマウスの皮下に移植し、膵がんのモデル動物を作成した。腫瘍にX線を30Gy照射し1、3、7日後の腫瘍と未治療の腫瘍をサンプリングしTenascin Cの発現誘導を調べた。Tenascin Cの発現は照射7日後の腫瘍の間質で最も高いことを確認した。また未照射群と照射7日後群をイメージング用核種であるIn-111で標識したコントロール抗体と3種類の抗Tenascin C抗体を投与して体内動態実験とSPECT/CT撮像実験を行った。3種類の抗体のひとつEGF-likeリピートドメインを認識する抗体では、照射7日後群の腫瘍への集積がコントロールに比べて2倍も高いことを見出した。さらに、同じEGF-likeリピートドメインを認識する抗体を新たに開発し同様にSPECT/CT撮像したところ、さらに高い腫瘍集積を認めた。この新しい抗Tenascin C抗体は、がん組織の治療損傷修復部位に薬剤を大量に運搬できる。我々が開発した抗体をα線あるいはβ線放出放射線同位元素で標識して、抗がん剤治療による損傷を修復している部位に追加治療(Adjuvant Radioimmunotherapy)した時の治療効果を検討する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Proof of Concept Study for Increasing Tenascin-C-Targeted Drug Delivery to Tumors Previously Subjected to Therapy: X-Irradiation Increases Tumor Uptake2020

    • 著者名/発表者名
      Sugyo Aya、Tsuji Atsushi B.、Sudo Hitomi、Takano Kanako、Kusakabe Moriaki、Higashi Tatsuya
    • 雑誌名

      Cancers

      巻: 12 ページ: 3652~3652

    • DOI

      10.3390/cancers12123652

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-12-27  

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