内臓動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した6症例を対象に,再開通のリスクについて検討した.患者のCT画像から血管形状を作成し,CFDを行った.コイルで塞栓された瘤内の流れ停滞を表現するために,多孔質体モデルを採用し,流れの停滞の定量化するためにstagnant volume ratio (SVR)を指標とした.全症例で充填率の上昇に伴いSVRは上昇した.再開通例では,充填率が20%未満のSVRの上昇率は,他の症例よりも小さく,実際の充填率でのSVRは最も低かった.以上から,SVRを用いた血流シミュレーションが,最適なPDの選択や治療後のfollow-up最適化に有用な指標となる可能性が示された.
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