研究課題/領域番号 |
20K16735
|
研究機関 | 岩手医科大学 |
研究代表者 |
吉田 純 岩手医科大学, 医学部, 専門研修医 (50869047)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 超高磁場ヒト用7 Tesla MRI / QSM / 頚動脈内膜剥離術 / 過灌流 / 鉄沈着 / 認知機能低下 / 脳血流SPECT / 神経心理検査 |
研究実績の概要 |
本研究では、超高磁場ヒト用7 Tesla MRI(7TMRI)におけるQuantitative susceptibility mapping(QSM)を用いて、一側内頚動脈狭窄症に対する頚動脈内膜剥離術(CEA)後過灌流 にて生じる可能性がある脳内微小出血に起因した鉄沈着のを検出・定量し、その結果が認知機能低下と関連するかを検証する事を目的としている。これまでの先行研究にて用いられていた7TMRIのQSMについて、脳内に加え脳表の微小な鉄沈着をより高感度・高精細に検出するために、撮像パラメータと解析法の最適化を必要とすることが分かっている。そのため、初年度は、まず一側性頚部内頚動脈狭窄症に対して、CEA術前に7TMRIではなく、3TMRIにてQSMを撮像し、解析することとした。一方で、CEA術前後の脳血流SPECTおよび神経心理検査は予定通り行う事ができた。次年度の症例を含めた症例(60例)を基に統計解析を行う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に予定していた目標症例数に達しており、症例毎に各検査を施行できているため、本研究課題は概ね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
7TMRIにて、脳内鉄定量に最適なQSMを撮像するためには、 1)複数の各エコー時間の最適な長さ、2)QSM作成時の脳表抽出処理の程度などの設定について検討する必要がある。そこで、次年度は初年度に撮像した3TMRIでのQSMの結果から7TMRIで最適な撮像データと解析法を決定することを目指す。また、合わせて、3TMRIでの撮像も継続し、初年度と合わせて目標症例数60例を達成する。3TMRIで撮像したQSMデータについては、QSM上異常ボクセル数の術前後での変化に違いがあるかどうか検証する。またQSM異常ボクセル数の変化量が、認知機能検査のスコア変化量と相関するか検証する。最終的にはCEA後過還流出現群と非出現群の2群に分け、統計解析も実施する。その結果について、成果発表と国際誌への報告を目指す。
初年度同様の対象およびプロトコルで30例に対し、7TMRIおよび脳血流SPECTの撮像、認知機能検査を施行し、初年度と合わせて目標症例数60例を目指す。CEA後過灌流出現群と非出現群の2群に分類し、QSM上異常ボクセル数の術前後での変化に違いがあるかどうか検証する。またQSM異常ボクセル数の変化量が、認知機能検査のスコア変化量と相関するか検証する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍により、学会での情報収集のための出張費がなくなったことに加え、購入した物品が発売前の機器を予定しており、機器の販売価格が、予定より安価であったため。
|