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2021 年度 実施状況報告書

新規放射線防護剤の探索―有機化合物の放射線応答性の解明―

研究課題

研究課題/領域番号 20K16740
研究機関朝日大学

研究代表者

外山 実千留  朝日大学, その他部局等, 研究職員 (80834168)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード放射線防護剤 / 活性酸素種
研究実績の概要

本研究では抗酸化型放射線防護剤の開発と放射線防護メカニズムの解明を目指している。第一段階として、先行研究によりX線照射下での活性酸素種の変化量が明らかとなっている化合物を用いて非放射線照射下での抗酸化能の判定を進めている。活性酸素種を試薬によって反応させ、蛍光試薬DHE(Dihydroethidium)、APF(Aminophenyl Fluorescein)を用いてスーパーオキシドとヒドロキシラジカルの検出を行うことにより活性酸素種の減少を判別する。この実験により非放射線照射下での抗酸化能が明らかとなれば、X線照射によって活性酸素種との反応性が変化する化合物を発見することができる。
当該年度において54種類の化合物において抗酸化能判定実験が終了した。先行研究のX線照射下での活性酸素種の変化量と照らし合わせると、X線照射下での活性酸素種との反応性が異なる化合物が複数確認された。特に放射線障害の原因となるヒドロキシラジカルに注目するとX線照射下では減少を示した化合物がヒドロキシラジカル発生下では増加を示した。これらの化合物はX線照射下でのみ抗酸化能を示していると考えられ、放射線防護に期待できる化合物である。また反対に、活性酸素種発生下(スーパーオキシドとヒドロキシラジカルの両方)では抗酸化能を示す化合物がX線照射下では活性酸素種の量に変化をもたらさないという結果もあり、化合物がX線に応答し反応性が変化していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症の影響により実験器具、試薬の入手が遅れたため、当初の実験計画よりやや遅れている。

今後の研究の推進方策

抗酸化能判定実験が終了した化合物についてUV照射下での活性酸素種の変化量を調査し、これまでの結果と比較を行う。また特徴的なX線応答反応を示す化合物を選択し、X線照射前後での構造変化を機器分析によって解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症の影響により学会が中止となり、学会参加費、旅費が不要であったため。次年度の物品費に使用する。
実験器具の納品が遅い製品があったため。次年度の物品費に使用する。

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公開日: 2022-12-28  

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