研究課題
若手研究
人工知能を応用することでCT画像および患者個々の解剖学的情報に基づいて放射線治療における線量分布の推定を行う方法を確立した。本研究課題では、前立腺がん症例について、入力した輪郭ごとに基づく損失関数を新たに導入することで、従来法よりも高精度な予測モデルの構築に成功した。本研究課題で開発した深層学習に基づいた自動治療計画法は、放射線治療中の日々の体型変化に対応する適応放射線治療の新たな技術として貢献できると考える。
医学物理学
人工知能の回帰問題では損失関数として一般的に平均二乗誤差が用いられているが、本研究では、入力する臓器の輪郭内の誤差が最小となるような損失関数を新たに導入することで精度の高い線量分布を作成した。開発した方法は、従来の線量体積ヒストグラムに基づく最適化で考慮されていなかった空間情報を加味した最適化法である。本研究成果の応用が期待される適応放射線治療において、その時の体型や臓器の位置に応じた線量分布が短時間で推定可能となる。治療効果の向上、有害事象の低減が期待でき、社会的意義も大きい。