研究課題/領域番号 |
20K16750
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
太田 嶺人 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 助教 (20869078)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ビスマス造影剤 / 腎移植 / 虚血再灌流障害 / 高輝度蛍光ナノ粒子 |
研究実績の概要 |
末期腎不全に対する根治的治療は腎移植であるが、本邦においては移植腎が圧倒的に不足している現状である。移植成績を向上するために、移植腎の短期・長期予後に影響する虚血再灌流障害を理解することが重要である。虚血再灌流障害に関しては様々な要因が指摘されているものの、実際の発生部位、時期、詳細機序に関しては判然としていない。本研究においては、ラットの動物実験モデルを使用し、高感度造影剤および高分解能CT装置を用いて、虚血再灌流障害の血管障害部位を視覚的に特定し、さらに超高輝度蛍光ナノ粒子を用いて、障害因子の詳細検討を行うことを目的とした。手法としては下記(1)-(3)を計画した。 (1)ビスマスを用いた造影剤の作製。ラット腎を用いた微小血管CTイメージング。 (2)摘出腎を使用した血管障害部位の画像学的および血液流体学的解析。 (3)超高感度蛍光ナノ粒子を用いた高感度病理学的解析。 ビスマスは原子番号83と臨床で造影剤として使用されるヨード(原子番号53)より高いX線吸収値を有する。ビスマスを溶解することで、高感度CT造影剤として血管造影剤として使用する。この造影剤をラット腎に投与し、高分解能CT装置で撮影し、3次元構築した画像を元に血管障害部位の特定を試みる。また、摘出腎の血管径や抹消枝のCT値などから血管床の形態学的評価を行うとともに、実際の血流量を評価して機能的解析も試みる。腎モデルの保存条件を変えることで、虚血再灌流障害の差を比較検討する。最終的に、障害部位を病理切片として摘出し、免疫染色等により障害因子の観察を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で使用するビスマス性造影剤は既に使用可能な状態であり、ラットの血管に投与しEx vivoによる微小血管イメージングを施行した。この方法でCTを撮影すると、動脈に投与した場合は動脈造影となり、静脈に投与すると静脈造影として画像検出が可能であった。ラットの腎臓を摘出し、保存液であるユーロコリンズ液に保存した後、ex vivo CT imagingを施行した。これを摘出後3.6.12.24時間と条件を変えて施行した。血管障害の違いを比較するため、現在、画像解析装置により3次元構築したものの、中枢~抹消の血管系や血管密度の違いを解析している。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、血管障害部位の詳細観察を構築した画像から行う。当初の計画である(2)-(3)を行う予定である。CT画像と紐づけることで、機能性および構造性障害のリンクを行う予定である。そして、血管障害部位を病理切片として摘出することで、病理学的評価を行う。病理学的評価に関しては、超高感度蛍光ナノ粒子を用い、より高感度に障害因子の検索を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
引き続き、ビスマス造影剤とCT装置を使用する予定である。 また、免疫染色を行うにあたり抗体を購入予定である。
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