研究課題/領域番号 |
20K16751
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
柴 慎太郎 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (90826950)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 重粒子線治療 / 骨肉腫 / 生物学的効果 / 線量分布図 |
研究実績の概要 |
切除非適応骨軟部腫瘍に対する重粒子線治療は放射線医学総合研究所から良好な治療成績が報告されている。しかし、重粒子線治療の臨床報告は十分ではなく当院からの報告はなかったので、治療成績の解析を行った。当院で切除非適応骨原発肉腫に対して重粒子線治療を行った53人を対象とした。観察期間の中央値は36.9ヶ月であった。3年全生存率は79.7%、3年局所制御率は88.6%、3年無増悪生存率は68.9%で、grade3以上の有害事象を3人で認めた。結論としては切除非適応骨原発肉腫に対して重粒子線治療は根治的治療となりうるものであった。この解析に関しては論文として学術誌に報告した。 今回予定しているヒト骨肉腫細胞のU2OSに重粒子線照射を行う実験では異なる線エネルギー付与(liner energy transfer; LET)で照射を行う予定である。異なるLETで照射を行うことで細胞生残率が変わることや化学療法との増感効果が変わることに関してはヒト子宮頸がん細胞(HeLa細胞)を用いて実験を行い、論文として学術誌に報告した。 ヒト骨肉腫細胞のU2OSを用いて現在進行中であり、preliminaryな実験を行い照射実験を行う際の細胞を撒く数などに当たりをつけたところである。また、LETが50のところではRBEが3.24と実際の治療計画で用いているヒト唾液腺細胞の相対的生物学的効果(relative biological effectiveness; RBE)より高値であることがわかった。また、LETを振ることで重粒子線照射後の細胞生存率が異なる実験もヒト子宮頸がん細胞で行なっており、今年度中にLETを13, 30, 50, 70kev/μmに振った照射実験を行い骨肉腫固有の重粒子線のRBEを算出する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の影響で院内での研究が制限された期間があったため、細胞実験を行えなかった。しかし、昨年度中にpreliminaryな実験は終了していることから大きな遅れはないと考える。
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今後の研究の推進方策 |
現在、細胞実験に関してはヒト骨肉腫細胞のU2OSを用いて現在進行中であり、preliminaryな実験が終了したところである。今年度中にLETを13, 30, 50, 70kev/μmに振った照射実験を行い骨肉腫固有の重粒子線のRBEを算出する予定である。 その後、骨肉腫固有の骨肉腫固有の重粒子線の相対的生物学的効果をさまざまな線エネルギー付与で算出することで得た値を用いて、臨床的線量分布を再作成する。そして、過去の治療計画と比較し、再発様式など解析を行い学会発表し、最終的に論文化する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験の遅れが一部生じており、2020年度使用する予定であったが、2021年度に繰り越すこととなった。
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