研究実績の概要 |
2020年度から2021年度、研究代表者の高田は、卵巣腫瘍のUltra-fast DCE MRIおよびIVIM撮像実験を行い、撮像プロトコルを確立した。当院で手術された卵巣腫瘍のUltra-fast DCE MRIおよびIVIMを含むMRI画像、病理、臨床データの収集を行い、画像から得られた血流情報の解析を行った。病理については、悪性/境界悪性/良性および組織型データ収集だけでなく、可能な限り、病理医・婦人科医とともに卵巣腫瘍の肉眼所見、病理組織像を確認し、画像との対比を行った。臨床データ(腫瘍マーカー(血中および腹水中)、手術方法、化学療法のレジメンおよび回数)、および予後データの収集を行った。予後データについて再発時期(画像での確認および腫瘍マーカーの推移)、再発部位のデータを収集した。 2022年度、血流解析用ソフトを用いた画像解析を開始した。磁気共鳴学会、腹部放射線学会で発表を行い、その他日本医学放射線学会や婦人科腫瘍学会に参加し、情報収集を行った。 全体の症例数は100症例程度と当初の目標に到達したが、境界悪性および良性の症例数が現時点で少なく、統計解析に十分ではない。悪性リスクに応じて、画像から得られた血流パラメータに一定の傾向は見られるものの、論文作成の準備をしながら症例蓄積を待っている状況である。 現時点での成果としては、卵巣腫瘍のUltra-fast DCE MRIおよびIVIM撮像プロトコルの確立、血流情報の解析環境, 方法の確立、画像、病理、臨床データ収集である。
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