研究課題
パーキンソン症患者と健常者とでMRI画像の3DT1強調像を使用してVBM解析を行った。パーキンソン病患者で健常者群と比較して脳容積が減少している部位は認められなかった。パーキンソン病においては特異的な脳萎縮がないとする既知の報告に合致すると思われた。各遺伝子多型においてパーキンソン病患者を層別化しそれぞれVBM解析を行った。なかでもDRD2遺伝子多型の1つであるTaq1A遺伝子多型ではA1キャリアとA2キャリアの2群に分類される。我々のVBM解析の結果、両側前頭葉領域の一部であるPFC に脳容積の差が認められた。さらにA2キャリアでPFCの萎縮が認められた。Taq1A遺伝子多型では衝動制御障害等の前頭葉症状が知られており、PFCの機能低下が生じているとの報告がなされている。我々の得られた解析結果はパーキンソン病の前頭葉症状や脳容積との相関を支持する結果となった。A1キャリアはA2キャリアと比較すると前頭葉の機能低下が生じることが知られている。我々は結果を受けてA1キャリアで代償機構が働いていると推測している。つまり脳の機能低下を補うために脳の容積が代償性に増大することでTaq1A遺伝子多型に伴い生じた前頭葉機能の低下が代償されたと推測している。この結果を2020年の北米放射線学会で報告した。またこの内容に関して『DRD2 Taq1A Polymorphism-Related Brain Volume Changes in Parkinson’s Disease: Voxel-Based Morphometry』とのタ イトルで論文報告を行った。
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Parkinson's Disease
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10.1155/2022/8649195.