研究課題
前年度から引き続き、新たな心筋Static CTPの定量指標の開発を継続し、その臨床的な妥当性について検証した。ファントム実験の結果から造影剤濃度とCT値には非常に高い正の相関性があることを確認し、心筋 Static CTPにおける心筋の造影効果をテストインジェクションデータにおける大動脈の最大造影効果で除することで得られるMyocardial Perfusion Ratio to the Aorta(MPR, 旧名称: simulated enhancement ratio(SER))が個人間のarterial input functionの違いによる影響を受けにくい新たな定量指標になると考えた。心筋SPECTをゴールドスタンダードとした場合、MPRはarea under the curve(AUC):0.84(95% confidence interval, 0.76– 0.90))、感度78%、特異度84%であり、従来指標である心筋CT値やtransmural perfusion ratio (TPR)よりも高い診断能があることを確認できた。また、定性評価と比較するとAUCでは有意差は認められなかったが、定性評価の感度67%、特異度90%であり、定性評価の感度の低さをMPRが補強できる可能性があることがわかり、Static CTPの評価においては、定性評価と定量評価(MPR)を組み合わせた統合評価が有用である可能性も示唆された。
3: やや遅れている
一昨年度から続くパンデミックの影響もあり、症例数の減少が著しく、他病院との連携も難しい状況であるため、当初のCTP実施予定件数よりも少ない状況であるため。
本年度については、昨年度までの検証で得られた4D-SFやMPRを併用して、虚血性心疾患症例におけるStatic CTPと Dynamic CTPの診断能の比較検証を行う予定である。
一昨年度から続くパンデミックの影響もあり、研究遅延が発生したため。本年度においては、主に研究成果をまとめ、学会および研究会での発表、国際学会誌に投稿するために使用する予定である。
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Journal of Clinical Medicine
巻: 25;11(7) ページ: 1816
10.3390/jcm11071816.