研究課題/領域番号 |
20K16765
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52040:放射線科学関連
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研究機関 | 茨城県立医療大学 |
研究代表者 |
布施 拓 茨城県立医療大学, 保健医療学部, 講師 (10712648)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ポリマーゲル線量計 / マイクロスフェア / 寡分割照射 / 組織等価ファントム / 放射線治療 |
研究成果の概要 |
マイクロスフェアを使用して肺や骨の特性を再現するための組織等価ポリマーゲル線量計を作製した。フルモンテカルロ(MC)シミュレーションシステムを使用して治療装置を再現し、MCによる線量計算が行った。顕微鏡画像からは、肺や骨の形態的特徴に関する貴重な知見が得られ、密度変化や骨組織の粗密を正確に表現することに成功しました。組織等価ポリマーゲル線量計とMCの結果を比較したところ、最大で5.2%の線量差があった。この差はNTCPの算出に影響する可能性があり、正確な線量計算方法の重要性が示唆された。組織等価ポリマーゲル線量計を活用した研究は、放射線治療の精度向上に貢献することが期待される。
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自由記述の分野 |
放射線計測学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん治療の効果を高めるには、正確な放射線照射と体内の吸収線量計算が重要である。ICRP118では、強度変調放射線治療などの分割照射で正常組織の吸収線量を再評価する必要性が示された。そこで、組織吸収線量を正確に測定し、分割照射に合わせた合併症予測手法の提案した。 開発した組織等価高分子ゲル線量計は、ヒト組織を正確に模擬した形状の線量計を作製できる。これにより、従来不可能だった吸収線量の正確な測定が可能になった。この開発は、寡分割照射技術における正常組織の吸収線量再評価に大きく貢献する。放射線治療の最適化と治療成績向上に向けて、学術的・社会的に意義深い成果である。
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