本研究は腎腫瘍の画像診断について、説明可能なAIの開発をすることである。腎腫瘍を画像診断で評価する場合、ダイナミックCTが標準となっている。5施設から400例を超えるダイナミックCT画像、および病理診断名を収集した。収集した画像に対し、放射線診断専門医により単純CT濃度、均一さ、早期濃染、早期相での均一さ、wash outの程度、後期相の均一さを数値化し、腫瘍の性状を説明する教師データを作成した。これらのデータを利用して、病理診断予測のみならず、それに出力に至った説明を出力を可能なAIモデルの開発を目指した。 前年度までに、画像診断の説明を出力する深層学習もでるの作成には成功していたものの、説明出力をしない単純な分類モデルの精度を超えることは困難であった。 最終年度、multi task learningを応用することで、前年度モデルよりも精度を改善することには成功した。さらに、TotalSegmentatorを用い、腎のセグメンテーション情報を加えところ、病理診断精度は向上しなかったものの、出力される説明の精度は改善が見られた。さらに、放射線診断専門医の協力を得て、腫瘍部分のセグメンテーションを行い、腫瘍部分をセグメンテーションするモデルを組み込み精度の向上を図ったが、精度の改善は確認されなかった。さらにVision Transoformerモデルの応用を試みたが、さらなる精度改善には至らなかった。
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