本研究では、BNCTの適用可否診断と治療の両方が可能なBNCT用薬剤の開発に向け、輸送体として利用するアルブミン多量体と、アルブミンへの高い結合親和性を持つ新規ホウ素含有近赤外蛍光色素の開発を目指した。 アルブミン多量体の開発では、多量体化により血中滞留性が増加するが、がん移行に適した多量体があることが示された。また、新規ホウ素含有近赤外蛍光色素の開発では、負電荷をもつ官能基の導入が、アルブミンへの結合親和性を向上させ、がん移行性に影響を与えることが示された。 がん指向性を向上したアルブミン多量体と本研究で見出した色素を組み合わせることで、有用なBNCT用薬剤が開発できる可能性を見出した。
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