統合失調症やアルツハイマー病における認知障害の一因と考えられている脳内グリシン動態の変化を、化学交換飽和移動MRI(CEST-MRI)を用いて無侵襲にモニタリングする手法(GlyCEST法)を開発した。GlyCEST効果はグリシン濃度の増加とともに増加した。正常マウスを用いた検討では、GlyCEST効果は大脳皮質よりも視床で高値となった。この結果は生化学測定結果とよく一致した。アルツハイマー病モデルマウスである5xFADマウスを用いた検討では、5xFADマウスの大脳皮質および視床のグリシン濃度の低下を検出しえた。GlyCEST法によりマウス脳内のグリシン濃度分布の測定が可能であった。
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