研究課題/領域番号 |
20K16787
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
東川 貴俊 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60832516)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 大動脈解離 / 4D flow MRI |
研究実績の概要 |
偽腔開存型Stanford B型大動脈解離の患者さんの4D flow MRI撮影を行い、症例を蓄積した。非造影の4D flow MRIでも真腔や偽腔の血流計測ができており、計測結果も妥当であると考えられる。エントリーが大きく偽腔血流が多く残存しており、CTを用いた形態学的な評価では瘤化リスクが高いと考えられる症例でも4D flow MRIを用いてエントリーから出入りする血流を計測すると偽腔から真腔への逆流血流は少なく、目立った瘤化が認められない症例も経験した。CTを用いた形態学的な大動脈径増大予測より4D flow MRIを用いた血流計測が大動脈径増大を正確に予測できる可能性があると考えられる。非造影の撮影であるため、腎機能が低下した患者さんでも大動脈の血流情報を知ることができ、単純CTでは知ることができない偽腔の血流状況を把握できる点でも有用であった。 撮影の最適化については従来の撮影法であるパラレルイメージング法に加えて高速撮影法であるcompressed sensing 法を用いての撮影も行っている。compressed sensing 法を用いることで撮影時間を短縮可能で、実際の症例でパラレルイメージング法とcompressed sensing 法で撮影した結果結果を比較・検討している。今のところ2つの撮影法で撮影した4D flow MRIの解析結果に大きな差異はなく、compressed sensing 法を用いた高速撮影も十分実臨床に耐えうる画像が得られるのではと考えている。 現状はまだ症例が少なく、今年度も引き続き新規症例の撮影に取り組む予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大があり、実際の患者さんを対象とした研究開始が遅れてしまったため、いまだ十分な症例が集められていない。偽腔開存型の大動脈解離の新規患者も想定より少なかったことも影響している。本年度も引き続き症例を蓄積していく。
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今後の研究の推進方策 |
複数の患者さんで実際に4D flow MRI撮影を施行できたことで、撮影および解析の手順や方法はかなり確立した。検査に要する時間も把握できてきたため、撮影および解析の効率化をはかり、症例の蓄積を加速させたい。循環器内科と心臓血管外科の共同研究者にも積極的に4D flow MRI撮影を行ってもらうよう声掛けをしている。 学会や先行論文から得られた知識をもとに、大動脈解離の予後予測に有用な撮影法やパラメータを検討し、新規情報があれば積極的に取り入れていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
<理由>新型コロナウイルス感染症の拡大もあり、研究対象者を予定人数分集められていないため、未だ十分なデータが得られていない。また、海外渡航にも制限があったため、国際学会に参加することが困難であった。 <使用計画>新型コロナウイルス感染症が落ち着いてきたため、今年度は国際学会に参加し、成果発表や新規情報の収集に充当したいと考えている。
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