胸部悪性腫瘍に対する放射線照射後の心毒性が大きな問題となっている。放射線誘発性心毒性の克服に向けて、放射線誘発性心毒性のマウスモデルの確立とマウスモデルの心臓の形態学的、病理学的変化を検討した。 マウスの心臓に照射を行い、心臓を摘出し病理学的に心臓への放射線の影響を評価した。照射後のマウス心臓は右室周囲の心外膜と大動脈弁が肥厚し線維化し、心外膜には血管新生と細胞浸潤が認められた。抗線維化効果を有するファスジル投与したところ、マウス大動脈弁の肥厚が改善した。CTでは右房の拡大所見の改善が認められた。心臓への放射線照射により引き起こされる大動脈弁の肥厚、線維化はファスジル投与により改善された。
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