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2021 年度 実績報告書

効果的な核医学治療・診断を可能とする腫瘍滞留性に優れた多価RGDペプチドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K16803
研究機関北海道大学

研究代表者

水野 雄貴  北海道大学, アイソトープ総合センター, 助教 (90805194)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2022-03-31
キーワード多価効果 / インテグリン / ペプチド / 核医学治療 / 核医学診断 / がん
研究実績の概要

2つのRGDペプチド間を適切なリンカーでつないだ多価RGDは、隣接する2つのintegrin αvβ3と同時結合し、非常に高い標的滞留性を示すと考えられる。
令和3年度は、リンカー分子自体の構造だけでなく、リンカー分子同士をつなぐ足場分子の化学構造にも着目した評価を行った。足場分子としては、グルタミン酸、テレフタル酸、オクタヘドラル型レニウム錯体を選択した。なお、オクタヘドラル型レニウム錯体に関しては、シス位に2つのRGDペプチドを有する錯体を評価に用いた。それぞれの足場分子に、6ユニットのプロリングリシン配列を介して2分子のRGDペプチドを導入した化合物を合成し、その125I標識体を用いて細胞取り込み実験を実施した。その結果、どの化合物においても解離速度の遅延は見られず、これらの化合物は、少なくともin vitro実験条件下においては、複数のintegrin αvβ3と同時結合できていないことが示唆された。一方で、我々が既に報告しているオクタヘドラル型テクネチウム錯体は、1分子の錯体内に6分子のRGDペプチドを有しているが、integrin αvβ3陽性細胞からの解離速度が非常に遅く、複数のintegrin αvβ3と同時結合可能であることが示されている。以上の結果を踏まえると、オクタヘドラル型金属錯体のトランス位に2つのRGDペプチドを導入した化合物であれば、複数のintegrin αvβ3と同時結合可能となることが期待できる。
これらの結果は、標的での高い滞留性を示す多価RGDペプチドの開発には、リンカー分子と足場分子の両方の化学構造を考慮に入れることの重要性を示しており、優れた核医学治療薬の開発に有用な知見を与えるものである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of Linker Molecules in Hexavalent RGD Peptides on Their Multivalent Interactions with Integrin αvβ32021

    • 著者名/発表者名
      Mizuno Yuki、Kimura Kohta、Onoe Satoru、Shukuri Miho、Kuge Yuji、Akizawa Hiromichi
    • 雑誌名

      Journal of Medicinal Chemistry

      巻: 64 ページ: 16008~16019

    • DOI

      10.1021/acs.jmedchem.1c01396

    • 査読あり
  • [学会発表] 2価環状RGDペプチドのスペーサ構造がintegrin αvβ3陽性細胞との相互作用に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      水野雄貴, 宮本莉里, 尾江悟, 宿里充穂, 久下裕司, 秋澤宏行
    • 学会等名
      第4回日本核医学会分科会 放射性薬品科学研究会

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公開日: 2022-12-28  

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