本研究では、integrin αvβ3を標的とした放射性同位元素 (RI) 標識多価RGDペプチドの合成と評価を行い、多価ペプチドの分子構造の違いが、integrin αvβ3との相互作用に与える影響を評価した。その結果、RGDペプチド間をつなぐ分子構造、とりわけ足場分子の構造の違いが、integrin αvβ3からの解離速度に大きな影響を与えることを見出した。具体的には、オクタヘドラル型レニウム錯体を足場分子とし、トランス位に2つのRGDペプチドを持つ構造が、複数のintegrin αvβ3との同時結合に重要であることが示唆された。
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