「多孔シリカとX線の併用はX線単独より腫瘍増殖を抑制する」ことを確認したが、バラツキが大きく、有意な差は得られなかった。また、マウスの脾臓のサイトカイン量を解析したところ、腫瘍の増殖遅延が著しくみられたマウスでは、抗腫瘍免疫に関わるようなサイトカイン(INF-γ)の量が増加してた。シリカ投与直後の血漿中サイトカイン量を測定してみると、炎症系サイトカインであるIL-6の量が増加していた。IL-6は腫瘍の増殖促進方向に働くことが知られている。我々が用いたシリカでは、腫瘍免疫のアクセルとブレーキの両方に作用し、そのバランスの制御が難しい可能性が得られた。
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