研究課題/領域番号 |
20K16820
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
高橋 正明 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (30837167)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | CT / MRI / IgG4 / 大動脈炎 / 動脈瘤 |
研究実績の概要 |
本研究の対象となる症例の抽出と,評価対象となる画像検査のモダリティの確認を行った.動脈径の計測方法に関して,過去の論文を参考に決定した.次にIgG4関連大動脈周囲炎/動脈周囲炎および後腹膜線維症において現在までに検討,報告されている疫学的特徴,血液生化学的特徴,画像学的特徴を過去の報告から抽出した.さらに一般的な動脈硬化性変化に伴う動脈瘤や,他の炎症性動脈瘤の報告も検索し,本疾患との違いに関して検討を行った.画像学的特徴においては本疾患は外膜を主体として侵すという特徴があり,他の炎症性動脈瘤との鑑別という点,動脈壁の脆弱性の有無の評価という点で,内膜・中膜・外膜の正常3層構造および,特に内弾性板,外弾性板が保持されているかに着目した.CT・MRIだけでなく,血管内超音波検査による評価も検討したが,いずれもこれらを明確に分けることは難しく,さらなる検討が必要であった.一方で動脈壁の石灰化,壁在血栓,周囲脂肪組織の変化,動脈壁軟部影の形態などの,過去のCT画像報告では着目されていない所見も検討項目とした. 「IgG4関連疾患の診断基準並びに診療指針の確立を目指す研究」班の動脈分科会で上記内容を発表し,同会に出席していた各分野のエキスパートの先生からのご意見も参考として,各々の特徴に基づき評価項目を検討した. また,本研究においてテクスチャ解析やAIを用いた画像解析の可能性に関して検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画調書に記載した通りの進捗状況であるが,前向き研究の症例蓄積に関しては難しい状況にある.
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今後の研究の推進方策 |
対象となる症例,評価項目が概ね決まったので,それに即して実際の解析を行う.さらなる評価項目の検索,また,AI含めたRadiomics解析の導入に関しても引き続き検討していく.
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID19の影響があり,学会発表,学会費等を使用できなかったため,次年度使用額が生じた.次年度使用額は令和3年度請求額と合わせて,前年度に購入できなかった統計解析ソフトや論文校正等に使用予定.
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