申請者らは、従来の疾患と異なる特徴を持つ遺伝性銅代謝異常症の家系において、新規遺伝子CTR1に異常があることを見出した。CTR1は細胞内に銅を取り込む役割を持つ。患者由来線維芽細胞では銅の取り込みが低下していることが分かった。次に、CTR1の機能をより詳細に解析するため、細胞外に銅を排出するATP7A遺伝子をノックアウトした細胞株を樹立した。その細胞株を用いて、患者と同じ遺伝子異常が銅の取り込みを障害することを示した。以上のことから、今回の研究によりCTR1が新たな遺伝性銅代謝異常症に関与している可能性を示すことができた。
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