慢性肺疾患(CLD)は、日齢28を超えても呼吸サポートが必要な、未熟児にとって重篤な合併症の1つで、酸素暴露、人工呼吸器、および炎症などにより引き起こされる。超低出生体重児のうち約30%が重症CLDに至り、CLD児は精神運動発達遅滞の合併率が高い。RSVは乳幼児に感染すると肺炎や細気管支炎などを引き起こす、最も頻度の高い原因ウイルスの一つで、早産児や、CLD児、先天性心疾患をもつ児はRSV感染症が重症化しやすく、これらの児が感染するとそのうちの10%以上が入院加療を要する。重症化のメカニズムは解明されておらず、それが解明されれば、予防法や治療法につながる知見となり、早産児の予後向上に寄与する。
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