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2020 年度 実施状況報告書

胆汁酸取込みを利用した白血病細胞の新規悪性度評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 20K16870
研究機関東邦大学

研究代表者

羽賀 洋一  東邦大学, 医学部, 助教 (30468714)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード胆汁酸 / 白血病
研究実績の概要

研究成果の発表:Blood Advanceに小児悪性腫瘍および悪性血液疾患において、骨髄抑制からの回復期に一過性の総胆汁酸が上昇する現象がマウスによる再現性が認められることを記した論文をsecond authorとして発表した(Induction of blood-circulating bile acids supports recovery from myelosuppressive chemotherapy. Blood Advance 2020 VOLUME 4, NUMBER 9, プレスリリースあり)。この論文は、本研究課題の根本となる基礎データが含まれている重要な意義を持つ。造血幹細胞または造血前駆細胞の増殖に胆汁酸成分が関与することを示すものであるからである
本論文を踏まえて、研究実施計画に基づいて令和2年度は血液悪性疾患の成人患者での再現性を確認すべく、患者検体の収集を開始した。
検体は血液悪性細胞、造血幹細胞や前駆細胞を中心に増殖時の胆汁酸取り込み評価を行う。令和2年度は検体解析用の解析ソフト・胆汁酸成分解析用の物品の購入を行った。
しかしながら、COVID-19の影響により、病床や医療物資の不足による入院制限によって患者検体が収集困難となったことや渡航制限により共同研究機関であるスウェーデンのルンド大学での実験が滞ったことにより研究実施計画より遅れている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

①COVID-19の影響:2020年春からのCOVID-19による感染対策と医療物資の不足のため入院制限がおこなわれたため、新規患者検体の収集困難となって影響がある。
②渡航制限による影響:本研究は研究検体を研究代表者である羽賀が共同研究機関であるスウェーデンのルンド大学での実験を行うものである。しかしながら、日本からの海外への渡航制限のため、スウェーデンでの実験が困難となっている。
③共同研究を行っているスウェーデン・ルンド大学の三原田賢一氏が2021年4月より熊本大学特任教授として赴任されたことから、熊本での実験環境の整備を整えることが必要となった。緊急事態宣言によって東京都外への出張は東邦大学により禁止されているため、実験を進めることができていない。

今後の研究の推進方策

東邦大学内で引き続き、検体収集を勧めていく。
緊急事態宣言の解除、コロナ収束時にすぐに実験を進めることができるように機材の準備を整えていく。

次年度使用額が生じた理由

患者検体の検査費用として使用する。
研究代表者らは白血病・リンパ腫患者の化学療法からの回復期に総胆汁酸値が一過性の亢進をする現象から、胆汁酸が造血幹細胞をはじめとした血液細胞の増殖に関連すると推測している。小児・成人ともに同様の一過性の総胆汁酸の上昇が普遍的にみられる現象であるかを確かめることが必要と考えている。医療保健で賄われる検査には限りがあるため、総胆汁酸値のほか脂質代謝・糖代謝に関連する生化学検査項目の検査費用として使用する。
また、患者骨髄検体を用いて、造血幹細胞・白血病細胞・リンパ腫細胞の蛍光胆汁酸による胆汁酸取り込み実験を行う予定である。これはCOVID-19が鎮静化し患者入院制限の解除と実験施設への移動が可能となった場合という条件が付される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東邦大学 プレスリリース 発行No.1081 令和2年6月8日

    • URL

      https://www.toho-u.ac.jp/press/2020_index/2020608-1081.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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