研究課題
超早産児を対象としてカフェイン血中濃度と糸球体濾過量の相関関係を明らかにすることを本研究の目的としてきた。当院へ入院した症例を対象としてカフェイン血中濃度の測定を随時行い、糸球体濾過量を評価する指標として血清クレアチニンおよび血清シスタチンCを測定してきた。また、血中濃度と副作用や合併症の発生率、神経学的予後との関連性を調査した。最終年度では予定症例に達しなかったが、解析・報告に十分なデータが揃い合計24症例、測定検体272ポイントを解析し論文作成した(Sugino M et al. Sci Rep. 2023)。要約すると、在胎週数に関係なくカフェインクエン酸塩維持量8mg/kg/day以上を7日間投与するとカフェイン中毒を来すとされる濃度を越える可能性が高いと判明した。また、糸球体慮過量(指標として血清クレアチニン値)に相関性は認め無かった。よって上記の投与量・投与期間では在胎週数や糸球体濾過量に関係なく、中毒濃度を来す可能性が高いと判明した。明らかな副作用(頻脈、腹部膨満、低Na血症など)や合併症(小脳出血等)を認める児は研究期間中確認されなかった。神経学的予後に関しては新版K式発達検査を修正1歳半及び暦3歳で行った。在胎28週以上且つ出生体重1500g未満の症例を対象とし、維持量8mg/kg/day以上を7日間以上投与群(中毒濃度を越える可能性が高い群)とそれ以外の群で暦3歳での発達検査を比較した。その結果、前者にて暦3歳での認知機能正常(DQ≧85)を呈する割合が有意に低いことが判明した。このことから、上記投与量で早産児の脳・及び自律神経への影響を早期に調査する必要があると判断し、準備を進めている。なお、本研究結果は第67回日本新生児成育医学会・学術集会や第77回国立病院総合医学会で発表した。
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schientific reports
巻: 13 ページ: 10305
10.1038/s41598-023-37544-9.