研究課題/領域番号 |
20K16890
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
齋藤 広幸 大阪大学, 医学部附属病院未来医療開発部, 特任助教 (00723909)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 骨形成不全症 / 間葉系幹細胞 / 胎児治療 |
研究実績の概要 |
骨形成不全症は主に1型コラーゲン遺伝子異常により発症し、骨脆弱性を呈する先天性の骨系統疾患である。発症頻度は約15000~20000出生に1例とされ、先天性骨系統疾患の中では最多である。現在はビスホスホネート製剤が治療に用いられているが、姑息的であり、特に重症例においては十分な治療効果が認められない。骨形成不全症で異常1型コラーゲンを発現する骨芽細胞は間葉系幹細胞から分化誘導されることから、骨形成不全症に対する新規治療として期待される。本研究の目的は骨形成不全症の疾患モデルマウス(oimマウス)を使用し、ヒト臍帯由来間葉系幹細胞による治療効果を確認することである。昨年度に引き続きoimマウスの胎児に対してヒト臍帯由来間葉系幹細胞の移植実験を行った。目標症例数は間葉系幹細胞移植群、生理食塩水を投与したSham群、未治療群の各♂・♀に対してhomo、hetero、wildtypeにつき5匹ずつを目標としたが、治療群homo♂群(3匹)homo♀群(2匹)、Sham群homo♂群(4匹)と目標数に届かなかった。その他の群は5匹以上確保することができた。目標数に届かなかった原因としては、大阪大学の動物実験舎の改修工事に伴い、代替施設での実験の規模が縮小せざるを得なかったこと、また代替施設に移動、新動物舎への再度移動などにより実験が一時中断せざるを得なかったことが挙げられる。2022年度は新動物舎にて実験を再開する予定である。また、これまで移植実験を行ったマウスは生後3カ月まで飼育を行い、評価の為サクリファイスを行いμCT撮影、3点曲げ試験、骨の配向性の確認を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本学の動物実験施設の改築工事に伴い、昨年度の移植実験の規模がやや縮小された。 2021年度は治療群とSham群合わせて33腹に対して移植実験を行った。 これまでの移植実験と合わせて間葉系幹細胞移植群♂homo3匹、hetero24匹、wild14匹、♀homo2匹、hetero15匹、wild9匹、Sham群♂homo4匹、hetero35匹、wild20匹、♀homo7匹、hetero27匹、wild19匹分の検体を得ることができた。 これまで得ることができた検体にて、評価の為の測定を行っている。 具体的には、移植群と未治療群のhomoマウスの比較、移植群のhomoとwildマウスに対して体重やμCT(大腿骨の長径、断面積、骨密度)、アパタイトの配向性、3点曲げ試験で比較検討する。
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今後の研究の推進方策 |
これまで得ることができた検体にて、評価の為の測定を行っている。 具体的には、移植群と未治療群のhomoマウスの比較、移植群のhomoとwildマウスに対して体重やμCT(大腿骨の長径、断面積、骨密度)、アパタイトの配向性、3点曲げ試験で比較検討する。また、目標数に向けて新動物舎へのマウスの再導入を行い現在は移植実験の準備中であり本年度中の達成を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度も引き続き、COVID-19の影響もあり学会参加をオンラインにて行ったためを計上していた旅費は必要としなかった。次年度は研究内容の論文作成を予定しており、情報収集の為感染が落ち着いていれば状況に応じてび学会参加を検討する。また、新動物舎へのマウス導入により動物間の感染予防のために実験器具に新規購入が推奨されており、実験再開に伴う物品の購入を行う予定である。
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