• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2020 年度 実施状況報告書

妊娠初期の胎児への一過性アルコール暴露が脳発生に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K16908
研究機関公益財団法人実験動物中央研究所

研究代表者

圦本 晃海  公益財団法人実験動物中央研究所, マーモセット医学生物学研究部, 研究員 (80806985)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードコモンマーモセット / FASD / 胎児性アルコールスペクトラム障害 / 胎児脳血流 / 胎児発生 / 造影CT撮影 / 超音波エコー
研究実績の概要

妊娠中の母親の飲酒は産仔の中枢神経系機能障害を伴う胎児性アルコールスペクトラム障害(Fetal Alcohol Spectrum Disorders: FASD)を引き起こす。先行研究から、胎児へのアルコール暴露は脳の動脈や、微小毛細血管へ影響することが報告され、中枢神経障害との関連が疑われている。しかし、妊娠発覚前にあたる妊娠初期の一過性の飲酒がその後の胎児の脳発生に与える影響は明らかではない。本研究は非ヒト霊長類の胎生期の血管形態と血行動態の評価法を確立と、妊娠初期のアルコール暴露による胎生期全体を通じた脳の血行動態変化を明らかにし、さらに血行動態の変動と脳構造異常の関連性を明らかにすることを目的とする。
2020年度は健常胎児を使用した脳循環評価法の確立を行い、マーモセット流産胎児3例を用いて全身のPhosphotungstic acid(PTA)染色による造影CTのプロトコールの検討、および1例の妊娠動物の胎児超音波エコーによる脳血流の導出検討を実施した。PTA染色胎児は、胎齢70-80日前後の流産胎児で実施し、胎児全体が染色され、マーモセットでもPTA染色が有効であることが確認できた。また、胎齢70日の妊娠マーモセットにおいて、胎児脳血流の導出を行った。これまでにマーモセット胎児の脳血流量の報告はなかったが、胎児を脳血流は超音波エコー検査によって導出することが可能であった。さらに、3D超音波エコー装置を使用することで、胎児の脳全体の脳血流を3次元空間で捉えることが可能であったため、小型の非ヒト霊長類であるマーモセットは胎児脳血流量の変化を捉えることに適していると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

コロナウイルス蔓延による緊急事態宣言のため、上半期の実験を十分に行うことができなかった。
当初目標としていた、健常胎児を使用した脳循環評価法のうち、摘出胎児に対する造影CT法の検討は実施できた。超音波エコーによる胎児脳血流の評価は1-2年目の目標であり、今年度は血管走行の確認が実施できた。血流速度の計測や血管系の撮像を行うことができていないため、これらは2年目に実施予定である。

今後の研究の推進方策

当初の予定通り、2年目までは健常胎児を使用した脳循環評価法を実施する。1年目に実施することができていない超音波エコーによる胎児脳血流の評価法の確立を中心に実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス蔓延のため、上半期の実験を実施することができなかったため、次年度使用額が生じた。当該年度に実施する予定だった実験のために物品費として使用する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Optimum Sterilization Methods of Biocompatible Hybrid Material for Artificial Organs2020

    • 著者名/発表者名
      Inoue Yusuke、Tashiro Ayaka、Kawase Yukino、Isoyama Takashi、Saito Itsuro、Ono Toshiya、Hara Shintaro、Ishii Kohei、Yurimoto Terumi、Shiraishi Yasuyuki、Yamada Akihiro、Yambe Tomoyuki、Abe Yusuke
    • 雑誌名

      Advanced Biomedical Engineering

      巻: 9 ページ: 83~92

    • DOI

      10.14326/abe.9.83

  • [学会発表] 機械学習を利用したマーモセットの顔画像、音声による個体識別の検討2021

    • 著者名/発表者名
      圦本晃海, 佐々木絵美、井上貴史、佐々木えりか
    • 学会等名
      第10回日本マーモセット研究会

URL: 

公開日: 2021-12-27  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi