合計16例のうち、4例は卵黄嚢腫瘍、12例で奇形腫であり、年長児症例で頻度の高いジャーミノーマは一例も認めなかった。分子遺伝学解析として変異解析を行ったところ、1例にSMARCA4変異を認めた。また、網羅的DNAメチル化解析を行ったところ、5歳未満発症の奇形腫、卵黄嚢腫瘍症例はそれぞれ年長児発症症例とともにクラスターされたが、上記のSMARCA4変異を有する奇形腫症例は、SMARCA4変異を有するAtypical teratoid/Rhabdoid tumorとともにクラスターされた。これらの結果から、乳児期発症頭蓋内胚細胞腫の一部は臨床的、分子遺伝学的に年長児とは異なる可能性が示唆された。
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