研究課題/領域番号 |
20K16914
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
竹内 秀輔 筑波大学, 附属病院, 病院助教 (80828046)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 有核赤血球 / ハプトグロビン / 単球 / IL-10 |
研究実績の概要 |
胎児や新生児に極めて多く存在する有核赤血球は自然免疫や獲得免疫の抑制能を有することが示されている。マウスでは有核赤血球の免疫抑制能はアルギナーゼを介する機序が示されているが、ヒト有核赤血球による自然免疫抑制はアルギナーゼ非依存性に、単球由来のIL-10産生を増加させ 、その作用には有核赤血球由来の何らかの液性因子を介することが示唆されている。 本研究の第一の目的は有核赤血球が単球に作用する分子機序の同定と機能を明らかにすることである。第二の目的として各疾患における自然免疫抑制能の異常や自己炎症性疾患の炎症の自然収束についてもヘムオキシゲナーゼや同定した分子を中心に検証することとした。 LPS刺激した単球と有核赤血球との共培養を実施し、有核赤血球の自然免疫抑制効果を確認した。有核赤血球が単球のIL-10産生を促進する液性因子を探索し、共培養の上清中にハプトグロビンを同定した。 ハプトグロビンはヘモグロビンと複合体を形成し、単球のCD163に結合し、単球からのIL-10産生を増加させる。有核赤血球周囲にはヘモグロビンが多量に存在しているため、現在はLPS刺激単球に対するハプトグロビン・ヘモグロビン複合体の免疫抑制効果を確認中であり、有核赤血球での遺伝子発現の変化について調査を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
候補分子の選定が予想通りとなっており順調に進んでいる
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今後の研究の推進方策 |
ハプトグロビンとその経路による炎症モデルや炎症性疾患における免疫抑制機構への関与を解析していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
少額であり使用計画に変更はない
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