研究課題/領域番号 |
20K16919
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
後藤 美和 山梨大学, 大学院総合研究部, 医学研究員 (70327576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 低出生体重児 / 慢性腎疾患 / ミトコンドリア / GDF15 |
研究実績の概要 |
低出生体重児は、慢性腎臓病となるリスクが高いことが知られているが、その機序についてはいまだ不明な点が多い。本研究では主に障害をうける糸球体上皮細胞がミトコンドリア機能受けやすい細胞であること、慢性腎臓病を発症した低出生体重児の腎組織ではミトコンドリア機能に関連した蛋白の発現低下が観察されていることから低出生体重児の慢性腎臓病とミトコンドリア機能異常に関連があるのかという点を解明することを目的とした。 そこで、9歳の早産低出生体重児を対象として、ミトコンドリア病の診断マーカーであるGrowth Differentiation Factor-15(GDF15)の血中と尿中の値を測定した。その結果、低出生体重児のグループは、低出生体重でない児のグループと比較して腎機能の分布に有意差はないものの、血中GFD15と尿中GDF15が高い傾向がみられており、低出生体重児のおける、持続的な腎におけるストレス状態を反映している可能性が示されている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
低出生体重児グループと低出生でないグループにおいて、尿中落下ポドサイトの定量を行うとともに、血中および尿中GDF15値と糸球体性蛋白尿、尿細管性蛋白尿などの従来用いられている腎ストレスの指標との比較検討を行っている。新型コロナウイルス感染の流行にともなう患者の受診控えにより、2021年度に予定していた対象数の組み入れが少なかったため研究に遅延が生じている。また、新型コロナウイルスの第6波の流行により、学外からの研究施設への立ち入り制限があり、動物実験の開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
2021年度は受診控えにより、対象の組み入れが目標数に達しなかった。現在、調査期間を延長して対象の組み入れを継続して行っている。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染の流行にともなう患者の受診控えにより、2021年度に予定していた対象数の組み入れが少なかったため研究に遅延が生じている。また、新型コロナウイルスの第6波の流行により、学外からの研究施設への立ち入り制限があり、動物実験の開始が遅れてたため、研究の進捗に遅延が生じたため当該助成金が生じている。研究期間の延長を行い症例数の追加と動物実験の開始を予定している。
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