本研究は、腎組織における酸化ストレスやミトコンドリアの機能異常が早産・低出生体重児の慢性腎臓病に関与するか検討することを目的とした。酸化ストレスにより組織で産生されるGrowth Differentiation Factor 15(GDF15)を測定した結果、血中GDF15は低出生児群において有意に高値で、低出生体重児の1部で尿中GDF15の異常高値が確認された。また、低出生体重児では、尿中のGDF15の上昇と相関して血中GDF15が上昇していた。この結果は、低出生体重児の一部の症例では腎臓組織内で酸化ストレスが存在し、その結果血清GDF15の上昇をきたしていることを示唆するものである。
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