研究課題/領域番号 |
20K16928
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
武口 真広 大分大学, 医学部, 助教 (10457632)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 心室再分極 / Tpeak-end / Tpeak-end/QT |
研究実績の概要 |
小児期、若年成人(AYA世代)のがん経験者の遠隔期の治療合併症としての致死性不整脈を早期に検出する指標として、近年注目されている心電図の心室再分極指標(Tpeak-end時間等)に注目し臨床応用を目指している。これらの指標は日本人小児における基準値が確立しておらず、それを確立する目的で、2020年度は、大分市学童心臓検診(小学1年生4476人、中学1年生3915人)から、二次精査に抽出されなかった児童を学校単位で層化無作為抽出を行い、そのうち、家族歴、既往歴のない小学1年生100人、中学1年生100人を抽出した。その心電図においてTpeak-end、Tpeak-end dispersion、修正QT間隔、QT dispersion、Tpeak-end/QTを手動計測した。すべての指標は正規分布することを確認し、平均値と標準偏差を算出した。Tpeak-endの計測値のばらつきは、胸部誘導の中ではV2で最も大きく、V5、V6で最も小さかった。Tpeak-endの計測値はV5で算出したことは妥当であったと考えられた。また、それぞれの指標の経年的変化や海外や成人の既報との報告と比較した。Tpeak-end、修正QT時間は年齢が上がると増加しており、Tpeak-end/QTは年齢差、地域差、人種差を認めなかった。これらの結果を2021年4月の第124回日本小児科学会総会に発表し、英語論文を作成しCirculation journalへ投稿予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
心電図の心室再分極指標の計測、数値の解析、学会発表、英語論文作成を当初は半年で行う予定であったが、1年を費やしている。理由としてはそれぞれの課程で遅れており、それが重なってこの遅れにつながったと考える。
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今後の研究の推進方策 |
まずは英語論文を早期に完成させ、その後、小児がん患者の心電図の解析へ着手する。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初2020度に購入予定だったデータ解析用パソコンと、心電図解析ソフトの購入ができなかった。パソコンは申請を行っているがまだ見積もりが出る前に年度を越してしまい、見積もりを待っている状態である。よって、これらを2021年度に購入し、小児がん経験者の心電図解析をすすめる。
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