妊娠高血圧症候群など子宮内慢性低酸素環境により胎児発育は停滞し、SGA(Small for gestational age)児として出生する。本邦でSGA児は増加傾向で、合併症の予防と治療は重要性を増している。これまでに申請者は、ヒトSGA児で生じる血小板減少は、血清トロンボポエチン(TPO)濃度の低下に伴う血小板産生抑制によることを明らかにした。また、SGAモデルラットを用いてTPO低下の原因は未熟肝臓によるTPO発現低下であり、TPO受容体作動薬の投与で血小板減少を改善できることを明らかにした。これらの結果を論文として報告した。現在はSGA児の神経予後改善を目指してさらに研究を進めている。
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