研究実績の概要 |
まず実験計画1の炎症性腸疾患狭窄部に発現するサイトカイン、酵素、コラーゲンの解析であるが、実際の患者からの検体をいただくため、現在当院の倫理委員会に申請予定で、申請計画書を作成している。申請書が受理され、実施可能となった段階で、クローン病患者の狭窄部の組織生検を行いたい。目標症例数とすると、5例程度で検討している。 次に、実験計画2の間葉系幹細胞のアルギン酸によるゲル化、および発現する物質の解析であるが、現在マウス(C57BL/6)の骨髄由来間葉系幹細胞の培養を行っている。アルギン酸については高純度のものを購入し、今後は今回培養を行った骨髄由来間葉系幹細胞と混合し、投与細胞の調整を行いたい。
最後に実験計画3の炎症性腸疾患モデルに対するMSC・アルギン酸の混合液の局所療法ではあるが、炎症性腸疾患モデルであるDextran sulfate sodium(DSS)、2,4,6-trinitrobenezene sulfonic acid(TNBS)腸炎マウスモデルの作成を確立した。 C57BL/6の10-13週齢の雄のマウスを用い、腸炎モデルを作成した。DSSは濃度2.5%とし、1週間の自由飲水による投与を行うことでモデルの作成を行った。TNBSについては50%エタノール希釈を行い、1.5mgの注腸投与を一回行うことで、腸炎モデルを作成した。今後はこの確立した腸炎モデルに対して、順次調整したアルギン酸+骨髄由来間葉系幹細胞の局所投与していきたい。
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