dextran sulfate sodium(DSS)を用い腸炎を惹起させたマウスモデルに対して、間葉系細胞(MSC)とアルギン酸混合液の腸右町での投与の有効性の検討を行っている。 現時点でMSCとアルギン酸混合して3日後もMSCは少し細胞数は減ってしまうものの、70%程度生存していることがわかった。またそのMSCを解析したところ抗炎症性サイトカインの一つであるTgfβの発現が増加していることが判明し、MSC単独よりもMSCとアルギン酸混合したほうが炎症を改善させる可能性が示唆された。今後MSC単独の培養液とMSCを含んだものでのサイトカインの変化について検証したいと考えている。またDSS腸炎マウスモデルの条件確立するために2%のDSSを1週間自由飲水させ腸炎を惹起させて評価したところ、組織学的や臨床学的にも評価できる炎症だけの炎症が得られており、2%での腸炎モデルの作成を行った。 また注腸手技の確立のため、インジゴカルミンを用いてマウスの注腸を行ったところ中位大腸(肛門から半分程度)まで注腸液が入っていることを確認した。今後、2%DSSで腸炎を惹起させたマウスに対して、実際注腸を行い効果をみたいと考えている。比較としては、プラセボとしてPBSをMSC単独、MSCとアルギン酸混合液の注腸を行い、実際改善するのか、またアルギン酸混合することの上乗せが得られるのかを検討したい。また改善した場合、作用機序についても検証を行いたい。実際MSCとアルギン酸を混合した注腸液をDextran sulfate sodium(DSS)腸炎モデルマウスに投与を行った。一部改善を認めたが、組織上の改善は乏しい状態であった。
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