研究課題/領域番号 |
20K16966
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
岩井 直人 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研修員 (00823270)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
キーワード | 胃癌 / 腹膜播種 / miRNA |
研究実績の概要 |
本研究は、胃癌腹膜播種の形成に寄与するMetシグナルを制御するmiRNAに注目した研究である。また、胃癌腹膜播種におけるmiRNAが形成する遺伝子発現制御ネットワークを解明し、新規治療戦略を確立することを目的とする。上部消化管内視鏡検査を施行して、腹膜播種を伴う進行胃癌における癌部ならびに非癌部からの生検検体6ペアにおいて、miRNAのマイクロアレイ解析を行った。その結果、胃癌腹膜播種に特異的に発現量が変化しているmiRNAを特定した。解析の結果、癌部で有意に上昇している7種類のmiRNA、ならびに非癌部で有意に上昇している16種類のmiRNAを同定した。現在、公共データベースを用いて、MET遺伝子を標的とするがん抑制性miRNAを探索している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
試薬調達に時間を要し、マイクロアレイ解析の結果を得るのに時間を要したため
|
今後の研究の推進方策 |
当初の予定通り、miRNAの発現量変化がMet、Metの下流シグナルおよび上皮間葉転換にどのような影響を与えるかを、タンパクレベルで評価する予定である。また、miRNAが、胃癌細胞株における浸潤能・足場非依存性増殖にどのように関わるかを評価する。Metシグナル関連miRNAの導入が、Met阻害薬に対する薬剤感受性の亢進を誘導できるかをMTT assayで確認する。いっぽうで、MET関連miRNAの同定が困難な場合、本研究で同定されたmiRNAが上皮間葉転換に関わる遺伝子発現をどのように調節しているかを検討する。
|
次年度使用額が生じた理由 |
マイクロアレイ解析の結果が得るまでに時間を要したため、予定していた実験に遅れが生じているため。今後、当初予定していた実験を開始し、実験物品を購入することを計画している。COVID-19感染状況を鑑みて、学会への旅費は生じない可能性が高く、物品購入への使用額を増額する可能性もある。
|